MT4のEAと人工知能（AI）の違い

MT4（メタトレーダー4）のEA（エキスパートアドバイザー）は、24時間自動でFXトレードができるシステムですが、EAと人工知能の違いがよく分からないという方は多いと思います。MT4のEAは、事前にプログラミングされた内容を自動でおこなうので、プログラミングされていない取引をおこなうことはありません。つまり、EAは人工知能ではありません。EAは人工知能のように学習機能は用いないので、急に新しい動きを勝手におこなうことはなく、事前に定められたルールに従って取引します。EAのプログラムはMT4のプログラミング言語である「MQL4」で書かれています。EA作成者は、取引ルールを設定してEAがそのルールの範囲内で取引をするように開発します。

「AI」とは、「Artificial Intelligence（人工知能）」の略です。人工知能は、人間のような「学習・推論・認識・知覚・判断」といった機能をコンピューターが実現するもので、学習機能で勝手に進化して独自の動きをします。AI（人工知能）はFXトレードにはあまり取り入れられていないのが実情です。自動で学習・推測をおこなう機械学習の領域は研究が進められている発展途上の領域であり、FXトレードへの活用においても今後の発展が期待されていますが、まだ一般的でないと言ってよいでしょう。

「AIで必ず勝てる」といった謳い文句でFXツールを販売している業者には注意が必要です。AI（人工知能）の定義は曖昧に使われていることが多く、精度に不安が残るので、AIでなくMT4のEAでルールに従った自動売買をした方が安全だと言えるでしょう。投資の世界で「必ず勝てる」ということは絶対にないので、AI（人工知能）で必ず勝てると思い込んでしまうと大変危険です。勝率を高めるには、トレーダーの知識や経験にもとづいたルールに従ってトレードすることが大切です。

MT4のEAでは、設定した売買条件に従って自動的にエントリーと決済がおこなわれ、安定したトレードができるのが魅力的です。また、プロや専門家が作成したEAを使えば、自分が知らないトレード手法が使え、自分が苦手な相場でも稼げる可能性が高まります。EAの弱点としては、EAによって得意な相場と不得意な相場があるという点があります。大きく分けるとEAにはトレンド相場と得意とするEAと、レンジ相場を得意とするEAの2種類があり、優秀なEAでも相場に合っていないと成績は上がらないので上手く使い分ける必要があります。

EAはEA単体では動作できません。EAを稼働させることができる自動売買ツールMT4は無料でダウンロードでき、世界中のトレーダーに利用されています。MT4は数十種類ものテクニカル指標が使えることが魅力で、複数のテクニカル指標を組み合わせて相場を予測し、自動売買することができます。また、優秀なEAを見極めるための重要なテストであるバックテスト（過去の相場データを用いた検証）ができるのもMT4の人気の理由です。

EAは、ある程度のプログラミング知識や経験があれば自作できます。プログラミング知識がなくても、作成ツールを利用してEAを自作する方法もあります。ロット数、エントリー条件や決済条件など、自分の思い通りに設定したEAを自作して自動売買する方もいますし、プロや専門家が作成したEAを使用して自動売買する方もいます。自作にはプログラミング知識だけでなくFXの取引手法を確立しておく必要があります。トレーダー自身の知識や経験がEA自作に大きく関わってくるでしょう。そして、人工知能とは違い、設定した取引ルールの範囲内で取引をおこなうのがEAです。